
専門用語解説
こちらでは、経営改善の際に出て来る専門用語を解説しておきます。
まだ、会社の状態を確認されていない方は、こちらから事前にご確認下さい。
経営改善計画書 とは
中小企業・小規模事業者が金融機関からの金融支援(元金の支払い猶予、金利減免、債権放棄等)を受けるために提出する計画書です。この計画書に金融機関が同意して初めて、金融支援が受けられます。
主に分けて下図の通りですが、暫定リスケ計画書とは「払えないからとりあえず出す」、
実抜計画とは「3年後は正常な状態にもどるために出す」というハードルの差があります。
暫定リスケ計画書
実抜計画書
(実現可能性の高い抜本的な計画書)
目的
事業の持続性が見込めるか判断できない債務者企業に対し、概ね3年程度の検討期間を設け、金融支援を行う
債務者区分のランクアップ
(要管理先→正常先)
要件
・営業利益を自らの計画立案と実行
による努力で改善
・その結果の検証及びさらなる改善を
継続的に開示
・金融機関がそれを認めている
・計画実現に必要な関係者の同意が
得られていること
・支援額が確定しており、
追加支援が必要ないと見込まれていること
・計画中の売上高、費用、利益の予測が
厳しく見積もられていること
リスケ とは
リスケとは「リスケジュール」の略であり、「リスケジュール」とは文字通りre-schedule、
計画を見直すことであり、金融機関からの借入返済が苦しくなったときに、既存の返済計画を見直し、返済期間や約定返済金額の変更を行うことをいい、簡単に図解すると下図の通りです。
金融支援前
金融支援後
営業資産 200
営業資産
700
事業計画策定の結果、10年間の
当期純利益の合計が300生じる
営業資産 200
営業資産
700
借入金
800
債務超過
300
債務超過
300
借入金
800
10年(以内)の
当期純利益で解消
→リスケで足りる
業績の悪化に伴い、資金確保の目途が立たない場合に行われる方法です。
通常は元本返済の猶予を受け、利息のみの支払いとなります。利息の支払い猶予は常識的にはありませんのでご注意ください。
一度リスケに入ってしまうと、その期間中は金融機関などから新規の融資を受けることはできません。
しかし、リスケが終了し、業績の回復とともに通常返済に戻った暁には銀行内部の評価が下がっているとはいえ、再び融資を受けることは可能です。その日を目指してがんばりましょう。
債務者区分 とは
債務者の財務状況、資金繰り、収益力等により、返済能力を判定して、その状況等により、債務者を正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先及び破綻先に区分することをいう。
債務者区分
開示
正常先
要注意先
要管理先除く
要管理先
破綻懸念先
正常債権
実質破綻先
破綻先
不良債権
◎正常先 :業況が良好であり、かつ財務内容にも問題がない債務者
◎要注意先 :業況が低調ないしは不安定な債務者または財務内容に
問題がある債務者等、今後の管理に注意を要する先
◎要管理先 :要注意先のうち、3か月以上延滞または貸出条件を
緩和している債務者
◎破綻懸念先:現状経営破綻はしていないが、経営改善計画等の進捗状況が
芳しくなく、今後経営破綻に陥る可能性が大きいと
認められる債務者
◎実質破綻先:法的・形式的な経営破綻の事実は発生していないものの、
再建の見通しがなく、実質的に経営破綻に陥っている債務者
◎破綻先 :法的・形式的な経営破綻の事実が発生している債務者
引き当て とは
皆さんが銀行への約定返済ができなくなり、経営再建計画のうち、とりあえず暫定リスケ計画書を作成し、元金返済を止めます。
そうすると銀行は皆さんに対する「将来不回収額」をそれぞれの債務者区分に基づき、ある一定割合を「引当金」として積み立てなければなりません。
銀行により詳細は異なりますが、おおざっぱに言って下表イメージです。
例えば、1億円借りていて、上述の暫定リスケ計画書を作成し、要管理先に入ります。
そうすると銀行は約15~30百万円の引当金を積まなければなりません。
皆さんは「銀行の損益の足をひっぱる存在」となります。
銀行から「イヤ~な顔」されます。でも「イヤ~な顔」には費用は発生しません。
しかも、皆さんの会社が再生し、返済を再開した暁にはその他要注意先にランクアップ銀行に「引当金の減額」という「プレゼント」ができます。
がんばりましょう。
正常先
債務者区分
過去の貸倒実績率等にもとづき今後1年分も損失見込みを引当(0.1〜1%)
過去の貸倒実績率等に基づき
今後1年分も損失見込みを引当(3〜5%)
過去の貸倒実績率等に基づき
今後3年分も損失見込みを引当(15〜30%)
その他
要注意先
要管理先
過去の貸倒実績率等にもとづき今後3年分も損失見込みを引当(65%)
不動産担保、一般担保・保証
などで保全されている
全額引当または直接償却
破綻懸念先
実質破綻先
破綻先
I(非分類)
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ